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素振りドリル:ショット別の練習方法と、本当に効くのか
ラケットスポーツの定番練習を、きちんとやるためのガイドです。素振りの目的、ショット別のやり方、ポイントの流れに近づけるつなぎ方、効果の有無、そして多くのガイドが触れない「良い素振りだったかどうかの見分け方」までまとめました。
結論:素振り(シャドースイング、またはシャドーテニス)とは、ボールを使わずに、スプリットステップから試合と同じスピードでテニスのストロークを1本振り切る練習です。体の回転、打点、フィニッシュ、手首のリリースといった、自分でコントロールできる部分を鍛えます。実際のボールを読んでタイミングを合わせる力は鍛えられないので、コートでの練習と組み合わせましょう。
以下のドリルはどれも、すべてのストロークに共通するテニスのスイングの6つの基本 (英語のページ)のうち、ひとつを鍛えるものです。
素振りとは、そしてコーチが勧め続ける理由
素振りとは、ボールを使わないフルスイングです。構えも、体の回転も、打点も、フィニッシュも同じで、スピードはラリーのときと同じにします。コーチが勧め続けるのは、自分が完全にコントロールできる「動き」と、完全にはコントロールできない「ボール」を切り離せるからです。ラリーでは、フォアハンドを打てるのは1分間に数本ほどで、そのうち多くは打ちにくい場所に飛んできます。素振りなら、その何倍もの本数を、毎回ちょうど狙った場所に来るボールとして打てます。
「シャドーテニス」は、同じスイングに動きを加えたものを指すのが一般的です。スプリットステップ、ボールへの移動、スイング、真ん中への戻りまでを通して行います。1本ずつのストロークが安定してきたら、次に進むのがこのバージョンです。
ただし、フィードバックのない反復は、そのとき打っているスイングをそのまま定着させてしまいます。そのため、下のドリルにはどれもポイントを1つずつ付けました。残りの注意点は効果についての節で説明します。
準備:スペース、ラケット、構え
- スペース。自分を中心にラケット1本分の空きがあれば十分で、オーバーヘッドの分だけ頭上にも余裕が必要です。ガレージ、庭、ドアを閉めた廊下、ローテーブルを動かしたリビングなどが使えます。
- ラケット。天井に余裕があるなら、いつものラケットを使いましょう。重さもタイミングを身につける要素のひとつです。振れない場合は、スマホをラケットのグリップのように握り、腕の動きはそのまま大きく保ちます。素手はほとんど意味がありません。腕の先に重さがないので、手首をリリースする対象がないからです。
- レディポジション。足は肩幅より広く、膝をやわらかく、体重は母指球に。ラケットは胸の高さで体の前に構えます。以下のどの1本も、小さなジャンプ、つまりスプリットステップから始めます。コートでは、どのショットもそこから始まるからです。
- スピード。試合と同じスピードです。ゆっくりにするのは、スイングの形を直すための2、3本だけにして、すぐに元の速さへ戻します。丁寧できれいでも遅いスイングは、間違ったタイミングを練習してしまいます。
ショット別ドリル
各ドリル10〜15本を1セットとして、全部通しても約12分です。各ドリルにはポイントを1つだけ付けました。コーチがコートの反対側から叫ぶような一言で、上の段落よりずっと大事です。誰かを教える立場なら、レッスンの合間に素振りの宿題を出す方法 (英語のページ)もどうぞ。
フォアハンド
まずユニットターン。肩と腰が一緒に回り、ラケットは腕で引くのではなく、体の回転と一緒に後ろへ引かれます。踏み込むか後ろ足に体重を乗せ、下から上へ振って、打点は前足の腰より前に置きます。フィニッシュは肩の上まで振り抜き、一瞬止めます。グリップからフィニッシュまでの全体は、フォアハンド完全ガイド (英語のページ)にあります。
ポイント:ラケットを持たない側の手は、回転中にボールの方を指し、フィニッシュでラケットを受け止めます。その手が体の横から動かないなら、腕だけで打っています。1年後に肩が文句を言ってきます。
バックハンド(片手でも両手でも)
回転は同じで、さらに深く。一瞬、背中がネットの方を向くくらいです。両手打ちは、上の手が打ち、下の手が導きます。片手打ちは、打点でもう片方の腕を逆方向に引き、スイングのバランスを取ります。打点はフォアハンドよりさらに前、フィニッシュは高くします。
ポイント:スイングを始めるとき、あごを前の肩に乗せます。後ろの肩が見えているなら、まだ回れていません。
サーブ(シャドーサーブ)
トスの手も含めた一連の動きを、架空のボールで行います。体を後ろへ揺らし、トスの腕をまっすぐ上げ、ラケットを背中の後ろへ落とし、脚で押し上げ、前の高い位置いっぱいで打点を取り、ベースラインの内側に着地します。ボールがなければトスが乱れようがないので、サーブの練習にはとても向いています。
コートでは「交互ドリル」を試してください。シャドーサーブを1本、続けて本物のトスで本物のサーブを1本、これを繰り返します。2本は同じ見た目になるはずです。本物のほうだけ形が変わるなら、たいていはトスに引っ張られています。動きをさらに細かく分解したサーブ完全ガイド (英語のページ)もあります。
サーブを連続で打つ前には肩をよく温め、痛みがあればやめてください。
ポイント:ラケットの縁が先にボールへ向かい、面はぎりぎりで向きを変えます。ガットがずっとネットの方を向いたまま上がると、プロネーションが起きず、スピードも出ません。
ボレー
テークバックは取りません。ラケットは体の前から始め、手の幅ひとつ分だけ前へ出し、残りは踏み込みの一歩に任せます。フォアとバックを交互に、1本ごとに踏み込んで打ち、1本ごとに2秒間レディポジションを保ちます。ネットでは待つことがいちばん難しいからです。
ポイント:ラケットヘッドは手首より上に。落ちると、ボレーはネットにかかります。
スライス
ラケットは高く引き、面をやや上に向け、高い位置から低い位置へ振り下ろして、そのまま前へ振り抜きます。フィニッシュは膝の高さではなく、体の前に出ます。スライスは長いストロークです。草試合のスライスは叩きつける動きになりがちで、浮いてしまいます。
ポイント:フィニッシュではラケットがターゲットを指します。地面を指して終わるなら、叩きつけています。
オーバーヘッド
すぐに横向きになり、ラケットを持たない手を架空のボールへ向け、ラケットは投げる形に引いて、上へ向かって打ちます。1本ごとに3歩下がってから打ちましょう。スイングだけでなく、打つ位置へ入る動きも練習できます。
ポイント:打つ前にボールを指さします。指す手がないなら、準備が遅れています。
パデルとピックルボールの素振り
考え方は同じで、スイングはコンパクトになります。パデルでは、バンデッハとボレーがいちばん素振りする価値のあるショットです。テークバックを小さくし、ラケットを体の前に保ちます。ピックルボールでは、ディンクは肩からの短くやわらかい押し出しで、ドライブは体の回転と下から上への軌道で素振りし、1本ごとにキッチンのラインでレディポジションに戻ります。スピードは試合と同じが基本ですが、ディンクだけは別で、コントロールがすべてです。パデルのメニュー全体はシャドーパデルに、家での基本はパデルの自宅練習とピックルボールの自宅練習にあります。
パターン:ポイントのようにストロークをつなぐ
1本ずつのストロークはスイングの形をつくります。パターン練習は、ストロークとストロークの間をつくります。草試合でポイントを落とすのは、実はそこです。10本ずつ、次の3つを通してやってみましょう。
- サーブ+1。シャドーサーブ、着地、スプリットステップ、フォアハンド。サーブ後の最初のボールはほとんどのサービスゲームで出てきますが、草試合のプレーヤーはあまり練習しません。
- インサイドアウト。バックハンド、回り込み、バック側のコーナーからのフォアハンド。回り込みのフットワークを鍛えます。
- アプローチ、ボレー、オーバーヘッド。前に出ながらのフォアハンド、スプリット、ボレー、そして3歩下がってオーバーヘッド。ネットプレーのすべてがひとつの流れになります。
これらのパターンは、サーブのカゴ練習や壁打ちを含む、もっと広いひとり練習の計画にも組み込めます。詳しくはテニスをひとりで練習する方法 (英語のページ)へ。コートがまったくなくても、家でできるテニス練習(コートなし)に、これらを軸にした20分のプランがあります。
素振りを無駄にする5つの失敗
- スプリットステップがない。立ち止まった状態から始めると、ボールが自分のところへ来てくれるときにしか通用しないストロークを練習することになります。
- 腕だけで振る。肩と腰が回っておらず、ラケットを振り回しているだけです。スピードを落として、体を回しましょう。
- 打点が近すぎる。ボールがないので手を伸ばす先がなく、打点が腰のほうへ下がっていきます。目の前の壁の一点を「ボール」に決めましょう。
- 半分のスピード。ゆっくり丁寧な1本は練習した気になりますが、間違ったタイミングを身につけます。
- フィニッシュがない。フォロースルーは手首がリリースされる場所です。そこを短く切ると、押し出すような硬いストロークが定着します。
素振りは本当に効くのか:懐疑派が正しい点
素振りは過大評価されていると考えるコーチもいて、その主張にもきちんと耳を傾ける価値があります。懐疑派の主張は、おおよそこうです。本物のストロークは、ボールへの反応です。高さ、回転、スピード、バウンドする場所に応じて変わります。ボールを取り去れば、文脈のない台本どおりの動きをなぞっているだけです。ガレージで身につけたスイングは、何も飛んでこないときのスイングで、実際のボールが来て判断が必要になれば、昔のクセがすぐに戻ってきます。
最後の点は、多くのプレーヤーが自分でも気づいていることです。素振りはフォームをつくりますが、段階を踏まなければ、そのフォームは実際のボールの前で崩れがちです。自分を撮影するのが、実際の動きを知る最も簡単な方法です。
つまり、限界については懐疑派が正しいのです。素振りでボールを読む力は身につきませんし、きれいな素振りのフォアハンドも、ラリーでは崩れることがあります。
それでも、得意なことでは役に立ちます。10分間に打てる本数は、ラリーよりはるかに多くなります。邪魔のない状態で形をつくれるので、グリップや体の回転を変えるときに助けになります。打つ前のウォームアップにも向いています。コートに行けない週や旅行中、ブランクのあいだも、戻るまで動きの感覚を保てます。
落とし穴にはまらずに効果を得る方法は、段階を踏んで差を埋めることです。
- 試合と同じスピードでストロークを素振りする。
- ドロップフィード(手でボールを落として打つ練習)のすぐ横で素振りし、振る瞬間にボールがバウンドするのを見る。
- 同じ形でドロップフィードそのものを打つ。
- 実戦のラリーに持ち込み、何ポイントか撮影して、形が保たれているかを確認する。
4段階目で崩れるなら、次の1回は3段階目に戻りましょう。素振りが、ドロップフィード、サーブのカゴ練習、壁打ちとともに広い計画の中でどう収まるかは、ひとり練習ガイド (英語のページ)で紹介しています。
10分の素振りメニュー
| 時間 | 内容 | ポイント |
|---|---|---|
| 0〜2分 | スプリットステップとシャッフル | 母指球で着地する |
| 2〜5分 | フォアハンドとバックハンド、各15本 | まず回転、打点は前 |
| 5〜7分 | シャドーサーブ、15本 | ラケットの縁が先に出る |
| 7〜9分 | ボレー、交互に20本 | ラケットヘッドは手首より上 |
| 9〜10分 | サーブ+1、10本 | 着地したらスプリット |
週のほとんどの日に続けるコツは、日ごとに重点を決めた毎日のテニス練習を習慣にする方法にまとめています。
良い素振りだったかを知るには
良いグラウンドストローク、サーブ、オーバーヘッドには、ひとつの共通点があります。打点を通過するときに手首がラケットヘッドをリリースし、最後の数センチでヘッドが手を追い越して加速することです。押し出すような硬いスイングでは、これが起きません。見た目は正しく見えるストロークと、実際にボールをうまく打てるストロークの違いはここにありますが、振っている最中には感じ取れません。これが素振りの正直な限界で、素振りが退屈だと言われがちな理由でもあります。フィードバックがなければ、実際に退屈なのです。
確認する方法は4つあります。
- 鏡ではなく動画。スマホを横から立てかけて10本分を録画し、回転、打点、フィニッシュで一時停止して見ます。鏡より録画が優れているのは単純な理由で、鏡を見ると、ボールが来る場所から目と頭が離れてしまうからです。
- 鏡は短時間だけ。大きな形の間違いを確認する2、3本には便利です。それが済んだら目を離して振りましょう。
- 壁とボール。ボールが返ってくるか、こないか。遅くて音も出ますが、正直です。
- スピードに反応する音。グリップのように握ったスマホは、ラケットヘッドの動く速さを感じ取り、その速さを超えたときにだけスイング音を鳴らせます。遅く押し出すだけのスイングでは鳴りません。50本の素振りが、50回の勘ではなく、50回の答えになります。
カメラと音は、ストロークの別の半分、つまり形とスピードをそれぞれ確認します。どちらがいつ役立つかは、自宅でスイングを練習するのにカメラは必要か (英語のページ)で説明しています。専用の器具を使うのはまた別の選択肢で、スイングトレーナーとアプリの比較 (英語のページ)を参照してください。
よくある質問
テニスの素振り(シャドースイング)とは何ですか?
ボールを使わずに、スプリットステップから試合と同じスピードでテニスのストロークを振り切る練習です。体の回転、打点、フィニッシュ、手首のリリースといった、自分でコントロールできる部分を鍛えます。実際のボールを読んでタイミングを合わせる力は鍛えられないので、コートでの練習と合わせるのがいちばん効果的です。
素振りは1日に何回やればいいですか?
決まった回数はありません。目安としては、草試合レベルなら、ショットに分けて数十本を週のほとんどの日にやれば十分です。疲れたり飽きたりすると質が落ちるので、フォームが雑になる前にやめましょう。最後にやった動きが定着するからです。集中した10分は、気が散った40分に勝ります。
素振りは効果がありますか?
ストローク自体には効果があります。体の回転、打点、フィニッシュ、手首のリリースのタイミングです。ボールを読む力は鍛えられず、実際のボールが来るときには素振りのフォームが崩れることもあります。上の節のように、ドロップフィードやラリーで差を埋め、コートでの練習も続けてください。
素振りはラケットを持つべきですか、持たないほうがいいですか?
天井に余裕があるなら、持つべきです。手首のリリースは、ラケットの重さに合わせてタイミングを取るもので、素手ではほとんど何も身につきません。ラケットを振れない場所では、スマホをグリップのように握り、腕の軌道を大きく保って、形を同じにします。
素振りはどれくらいの速さで振ればいいですか?
試合と同じスピードです。遅いスイングは遅いタイミングを練習することになり、コートで欲しいものと逆になります。スピードを落とすのは形の問題を直す数本だけにして、すぐに元の速さへ戻しましょう。どの1本もスプリットステップから始めてください。
シャドーサーブとは何ですか?どう練習しますか?
架空のボールで、トスの腕も含めたサーブの一連の動きを行う練習です。体を後ろへ揺らし、トスの腕を上げ、ラケットを落とし、脚で押し上げて、前の高い位置へ手を伸ばします。コートでは、シャドーサーブと本物のサーブを交互に打ち、見た目が同じになるまで続けます。先にウォームアップをして、肩が痛むならやめてください。
シャドーテニスは素振りと同じですか?
ほぼ同じです。素振りはふつうストローク単体を指します。シャドーテニスは、その周りの動き、つまりスプリットステップ、架空のボールへの移動、スイング、真ん中への戻りを加えたものです。まず1本ずつのストロークから始め、形が自然に出るようになったら動きを加えましょう。
素振りのほうが本番のスイングよりきれいに見えるのはなぜですか?
ボールがないからです。読むものも判断もなければ形はきれいなままで、実際のボールとプレッシャーの下では昔のクセが戻ってきます。段階を踏んで差を埋めましょう。ドロップフィードのそばで素振りをし、ドロップフィードを打ち、それからラリーへ。各段階を撮影すれば、どこで崩れるかがわかります。